二藍蝶
ここは、入江組事務所・・・

荒れ果てた事務所内。

「親父が着きました」

足元に散らばるガラクタ
と化した物を避けながら
男達は歩く。

ぞろぞろと、浬を出迎える為
に組員は表に出る。

送迎車から降りた浬を
取り巻く組員達は、辺りを
警戒する。

「親父・・・」

血の滲んだタオルを腕に巻く
保に、怪我をしている数名の
執行部の面々。

「タモツ
 皆も、怪我はどうだ?」

「こんなの怪我のうちに
 入りませんよ
 大した事、ありません」

「そうか、よかった
 
 これは
 灰塚組の仕業か?」
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