二藍蝶
事務所にある物は全て
代々受け継がれてきた
大切な物ばかり。

極道の世界で生きて来た
男達が守った物

床に落とされた代紋・・・

踏みつけられた跡

堪らない苦痛・・・怒り

「どうしますか?
 返しに行きますか?」

「親父、返しは
 この俺に任せてください
 灰塚組など取るに足りない」

「兄弟、間違えるな
 本当の敵は、灰塚を操る
 神前組
 
 お前は駄目だ
 その目では、危ない」

「ヤクザになったあの日から
 死ぬことを恐れた日は
 一度も無い
 
 命よりも大事な物が
 壊された以上
 黙っていられるか

 行くぞ」
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