二藍蝶
「俺か、俺は
 先代の顔を見に来ただけだ」

「俺も、じいちゃんに
 逢いに来ただけ・・・」

要さんの瞳が、じろっと
俺を見つめた。

「親父は
 ・・・知っているのか?」

黙り込む俺に、要さんは
強い口調で言う。
 
「その顔は、知らせて
 ないんだな
 カイリ、今すぐ帰れ
 
 ここは、お前のような
 堅気が、のこのこ
 来るような所ではない」

ガラガラ・・・ドアが開く

そこには、浬の祖父
高月正二
(タカツキショウジ)
の姿があった。

「カナメ、何を
 大きな声を出している?」
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