二藍蝶
「待て」

「親父、この俺に・・・」

低い声で、浬は話す。

「聞こえないのか・・・
 俺は待てと言ってるんだ」

「親父、そんな悠長なこと
 このままでは
 ・・・・・・
 貴方が駄目だと言っても
 この俺は行く・・・」

歩み出す凌と、その仲間に
気だるそうに浬は告げる。

「勝手にしろ
 
 お前らが灰塚組に
 乗り込んで死のうが
 どうでもいい」

「親父・・・?」

浬の言葉に、保はもちろん
組員の顔色が変わる。
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