二藍蝶
浬は、話を続けた。

「自分勝手な行動が
 組の足を引っ張る事も
 分からねえ奴の死を
 俺は褒め称えたりはしない

 大事な組なんだろう?
 命かけてるんだろう?

 動く時を、誤るな
 
 負ける戦争はしない
 勝つ為に、今は足並みを
 揃える方が先決だ

 仕返しなら十分に
 遣ってやるさ」

凌の肩を叩く、浬。

「親父、セキさんが・・・」

そこに現れたのは、弦。

両脇を組員に支えられて
歩くことがやっとの弦。

顔を腫らし、切れた唇の端を
舐めて、苦笑いしてみせる。

「セキ、どうした?」
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