二藍蝶
『待てや、せっかくやろ
 遊んでいってや』

組長・朱鷺は笑ってみせた。

両脇を二人の男に掴まれ
人通りの少ない路地裏へ
連れて行かされ

たくさんの男を相手に
ひどく殴りつけられる弦。

『さっきの威勢は
 どこいった?』

血の混ざった唾を吐く、弦。

『アンタ等
 ほんまにヤクザ?
 
 ガキの喧嘩じゃないだろう
 
 こんなもんでええの?』

真剣な表情の、弦。

『アホな奴やな
 
 もうちょっと
 痛めつけたれや

 ああ、足や腕は
 折らん程度にな
 
 面白ないやろう?
 戦争前に遣ってもたら』

弦に起った出来事を知る、浬
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