二藍蝶
「はい・・・」

俺は母、菫の次に
この女性が苦手だ。

携帯電話で、母親と話す俺。

「悪かったよ、ああ
 明日には帰る・・・
 親父?
 今日は、無理だ・・・
 
 分かったよ
 今から、行くよ

 そうだ、親父
 カナメさんが、今
 俺の隣に居るよ

 カナメさん、親父が
 代わってくれって」

「もしもし
 ご無沙汰しています
 お元気そうで・・・はい
 何とか・・・」

親父と話す、要さんの横顔は
とても嬉しそうで、昔の彼に
戻ったようだった。

親父と要さん
二人の間には誰も踏み込めない
絶対的な信頼関係が成り立つ。

離れていても、二人は
一生涯、血よりも深い
絆で結ばれている。
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