二藍蝶
泣きながら、微笑んでみせる
藍の姿に胸を打たれる茉優

「アイ?」

「極道の女は、強くなくちゃ
 ・・・でもね
 私だって・・・努力した」

「アイ・・・」

「でも、ダメだったんだぁ」

顔を覆う藍を、抱きしめる茉優

「ヒロ、ありがとう
 ヒロが会いに来てくれて
 よかった・・・
 
 心配して、いつも
 来てくれてたの?」

「うん、たまに覗いてたけど
 ・・・・・・」

「ありがとう
 迷惑かけてごめんね

 もう、大丈夫だから
 仕事なんて無いだろうけど
 明日 
 事務所に連絡してみる
 
 あっ、ごめん
 気がつかなくて
 何か飲み物、淹れるね」

立ち上がる藍に、茉優は言う

「アイ、私が今日
 ここに、来たのは 
 カイリに言われたからなの」

『藍のこと頼むわ
 
 家に戻るだろうから
 今すぐ会いに
 行ってやってよ』

「カイリが?」
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