二藍蝶
浬と暮らした、あの部屋で
浬が帰って来る時を待ち続けた
私は、新聞はもちろんテレビも
何も見る事なく、外の世界を
遮断した状態で過ごした。

私は、何も知らない・・・

浬が今、大変な時だと
いう事は知っていたけれど
浬に何かあれば、別れた女
でも必ず、弦さんや塁さん
が連絡をくれるはず。

消えたのは・・・浬。

浬・・・

振った女に未練は無いんだね?

私は、貴方に大切な話も
できないまま、ここを去る事
になる。

そう、浬に会う前に事務所へ
向かった私は、事務所の
社長である加賀さんとある
約束を交わした。

この日本で私をモデルとして
起用してくれるところなど
もうどこにもなく、私は
業界から冷たく扱われ
仕事は、ゼロ。
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