二藍蝶
玄関で靴を履く、浬。

「そうだ、じいちゃん
 
 カナメさんやトウマさんに
 ありがとう
 そう、伝えておいてくれよ
 
 後、会澤組長にも・・・

 手を貸してもらったのに
 礼もできなくて申し訳ない」

頭を下げて見上げた浬の顔が
組長の顔に、一瞬戻った。

「ああ、分かった

 カイリ、堅気になった
 お前が、わざわざ
 そんな事心配するな

 手を貸したと言うよりも
 あいつ等は暴れたかった
 だけだろうがな・・・」

正二は、笑う。

「じいちゃん
 体、気をつけろよ」

松葉杖をついて立つ孫の姿に
正二は、ほっとする。

「シュリ
 こいつの次は、リンの奴が
 世話になってるようで
 毎度毎度、ごめんな」

「イオリ
 何、言ってるのよ
 私達は家族でしょう
 遠慮しないでよ
 
 それに、私が楽しんでるの
 
 じゃあ、気をつけてね
 スミレちゃんに宜しくね」
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