二藍蝶
俺は、やっと今
ミキちゃんとユキさんが
俺に言った、言葉の意味を
知る。

俺はいったい、親父の何を見て
いたんだろう。

幼い頃に見た、男達の生き様に
親父の姿を重ねて、勝手に
煌びやかな世界だと色をつけた

本当の親父は、違う・・・

俺なんかとは次元が違う。

灰色の中を駆け抜けた日々。

俺は、親父には適わない。

ある日、藍は仕事で家を
空けていた。

俺は、舎弟と携帯電話で
話していた。

内容は、一度は入江組を
出て行った馨さんが
次の組長になる件で、些細な
内部抗争が起きつつあるらしく

どうしたものかと、俺に
相談を持ち掛けてきた。

「今の入江組、ほとんどの
 連中が親父の男気に惚れた
 奴ばかり、親父に戻ってきて
 ほしいと願う組員が大半・・

 体の具合も順調な用でしたら
 戻って来てはくれませんか
 
 入江組の危機
 親父の力が必要なんです
 頼みます、親父・・・」
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