二藍蝶
「戻ることなど考えていない
 ただ、俺が顔を出して
 治まるなら・・・」

「顔を出せば、内情が分かって
 気になって、貴方が放って
 おける訳ない・・・
 
 でも、私が止めても
 どうせ、行くんでしょう・・
 
 私は貴方には
 選んでもらえない
 
 捨てられる存在・・・

 勝手にすればいいよ」

藍は、顔を覆い。

肩を、震わせる。

俺は、藍を抱きしめた。

「藍、行かねえよ
 
 そうだよな
 お前の言うとおり
 顔出すだけじゃすまなくなる
 ・・・・・・
 ルイが何とかするだろう
 ごめんな」

「カイリ

 お、願い
 
 行か、ないで」

泣いて詰まる、藍の声。

「ごめん、ごめんな」

そこへ、買い物から戻って
来ていた母が現れた。

「カイリ、ごめんなさい
 立ち聞きするつもりじゃ
 なかったんだけど・・・
 聞こえてしまって」
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