二藍蝶
「イオリはね、罪なんて
 犯していない
 誰も殺めてないわ・・・」

「だったら
  
 どうして・・・
 
 身代わりなのか?」

「人の罪を背負うこと
 貴方にできる?
 
 何の罪も犯していないのに
 八年もの間、限られた施設
 の中に収容されて貴方に
 耐えられる?

 無理でしょう?
 
 かわいい盛りの息子にも
 逢えない・・・・・・

 カイリ

 貴方は何を見てるの?
 
 イオリの何を・・・」

母は、涙を浮かべて部屋へ
戻って行った。

バタン・・・

勢いよく閉まるドア。

俺は、何も見てなかった・・・

親父には、この道しか無かった

『カイリ
 ヤクザなんてのはな
 これしかできねぇ
 奴がなるんだ

 お前は、限りなく
 いろんな物に成れるさ』
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