二藍蝶
「何だ
 食欲ないのか?」

俺の頭に手を置く、親父。

「暑気が入ったか?
 ほらっ、お茶飲め」

「ありがとう・・・
 
 親父、ごめんな
 
 いろいろと
 心配かけて・・・」

「バカ
 子供の心配をするのも
 親の役目
 
 何をやってもいいが
 俺よりも先に死ぬな」

「死なないさ
 死んで堪るかよ

 俺にも守らなきゃならない
 人がいる」

「しっかり、守ってやれよ
 
 そうだ、リンも高校
 卒業したら
 大工になるらしいぞ
 
 お前、ぼーっとしてたら
 抜かれるぞ」

「マジかよ」

親父は、嬉しそうに笑う。
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