二藍蝶
会わせたい人が要るの。

今度、会ってくれる?

私の初恋の人と

私の愛する人が

今、同じ空間に存在する。

二人とも、ものすごく
緊張してる。

キッチンでお茶を淹れる母を
手伝う私。

「アイ、ここはいいわよ
 彼の元に戻ってあげなさい

 花嫁の父の前で、彼一人
 じゃ、かわいそうよ」

「うん、そうだ
 
 ママ、ひとつだけ
 聞いてもいい?」

「何?」

「ヨシノは
 私のお父さんなの?」

真剣な藍の瞳・・・

「えっ、誰が言ったの?
 
 違うわよ
 
 貴女のお父さんは
 アスカ
 
 貴女の笑った顔
 アスカ、そっくりじゃない」
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