涙一通。


どうして宇田くんがそんなこと聞いてきたのか、とか、はっきりいってどうでもよかった。


きっと彼には、大して理由はなかったんだろうから。


説明しようと思ったら、まず"ただ単に"、ってつきそうな感じの。





「…たかなし………まゆ、」



今度は口に出して呟いて、久しぶりのその音に違和感がないことに一人笑った。


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