狼少年とウサギ少女。

「ゴメンナサイ…」

ほら見ろ。


「ハァ…仕方ねぇ奴。今日一緒に帰ろうぜって言ったんだよ。
反対はもう受け付けねえからな」

桜がなにかを言おうとしたけれど、

「じゃあ俺もう行くから。お前もすぐ戻れよ」

その前にそそくさと
逃げるように去る。


かなり無理矢理だけど、仕方ねぇ。

でも、スゲー久しぶりだしな…。
なんていうか、多分今の俺の顔はヤバいと思う。

自分でも分かるくらい、ニヤニヤしている。

「…早く放課後にならねえかな…」

こんなに放課後がまちきれなくなったのは、今日が初めてだった。
< 20 / 23 >

この作品をシェア

pagetop