狼少年とウサギ少女。
「ゴメンナサイ…」
ほら見ろ。
「ハァ…仕方ねぇ奴。今日一緒に帰ろうぜって言ったんだよ。
反対はもう受け付けねえからな」
桜がなにかを言おうとしたけれど、
「じゃあ俺もう行くから。お前もすぐ戻れよ」
その前にそそくさと
逃げるように去る。
かなり無理矢理だけど、仕方ねぇ。
でも、スゲー久しぶりだしな…。
なんていうか、多分今の俺の顔はヤバいと思う。
自分でも分かるくらい、ニヤニヤしている。
「…早く放課後にならねえかな…」
こんなに放課後がまちきれなくなったのは、今日が初めてだった。