狼少年とウサギ少女。
ドン、と背中を美香におされたわたしは、いきなりのことに当然ふらつく。

よろけて、後ろにさがってー…

そして、転――…

ばなかった。

「 え… 」

どうやら、誰かにだきとめられたらしい。
って、誰に!?

紺のブレザーしか目に入らないんだけど…

何だか、安心するような…ていうか あったかいなあ…

なんてわたしがぼぅっとしていると、

「おい、平気か?」

頭上から、声が聞こえた。


……頭上から?
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