友達と呼べた日
電話で結果を伝えてもよかったが、
時計を見ると17時を回っていた。

響介・・。何時まで寝てるんだ。

中田響介。
あまり好きではなかったから
中学では殆ど遊んだ記憶はない。

同じ高校を受験するって事で
話す機会があり
気付けば毎日顔を合わせるように
なっていた。

子供の好き嫌いとは、
こんなものなのだ。

自転車で30分。響介の家に付き
呼び鈴を押す。
チャララ~
毎回この呼び鈴のメロディに
突っ込みたくなるが、
どうも我慢するのが得意のようだ。

出てきたのは響介の祖母だった。

「あら、遠藤君。響介はまだ部屋から出てきてないの。ちょっと呼んでくるから待ってて。」
痛々しい膝を押さえ2階に
上がろうとするので、
響介の祖母が2階に上がるのを止め
おかまいなくと伝える。
このやり取りも慣れてきたものだ。

2階にあがろうとすると
リビングに響介の
親父さん達が目に入ったので
挨拶がてら合格発表見てきましたよ
と伝えた。
父、母ともに「え!?」
と反応。やはり家族とは似るものだ。

「響介も合格してましたよ。
ついでに見てきたので。」

ご機嫌になったのか晩御飯も頂き、
なぜか小遣いも貰った。

飯の時に響介は起きてきたが、
ほとんど話していないな。

また明日、遊びにいくか・・。

気付けば春休みが終わり、
再びあの門をくぐる。

車で・・・。

響介、入学式に寝坊は勘弁してくれ。
それと響介の母よ、
ルーズな所はあなた似です。



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