Everlastingly Love
episode7 王の怒り
それから暫くしてジェイドがレイリーゼ城へ帰って来た。アリアが意識不明になってから約一ヶ月が経過していた。
戻ると出迎えた侍女や重臣を無視し、アリアの私室へ向かった。
扉を開けるとまるで眠り姫のように昏昏と眠る姿が目に入って来た。
側に行き手を握ると温かさに安堵した。
「アリア。俺だ。今、戻った」
反応のないアリアに悲しい気持ちが打ち寄せて来る。
ピンク色だった頬は真っ白になっていて触れてもピクリとも動かない。
何故、こんな事になってしまったんだ!
その場に崩れるように座り込んだジェイド。今の彼の姿には王としての威厳は全くなかった。
その時、人の気配がして顔を上げるとルーシアが立っていた。
「お帰りなさいませ」
「…………ああ」
「アリア様はまだ目をお覚ましになられないのです」
「一体何があった?!何故アリアがこんな目に遭った!」
「クロウド様と私からお話致します。ジェイド様。双子の王子にお会いになられませんか?」
「双子の王子……」
「ジェイド様とアリア様の王子です」
「無事なのか?!」
「えぇ、ご無事です。お二人によく似た王子ですわ」
「ここに連れて来られるか?」
「はい」