Everlastingly Love
ジェイドは戦場で受けとった手紙を最後まで読んでいなかった。アリアが意識不明だと分かると気が動転し、気付けば走っていた。
我が子の事を忘れた訳ではないのだがアリアが心配で頭の奥に行ってしまっていたのだった。
ルーシアとクロウドがやって来ると二人の腕に赤子が抱かれていて一目でアリアが産んだ我が子だと分かった。
「私が抱いている王子が兄君ですよ」
「こちらが弟君です」
ルーシアが抱いているのが兄。クロウドが抱いているのが弟。
「二人共よく似ている」
「一卵性双生児なのだそうですよ。お顔はジェイド様に髪やお肌などはアリア様によく似ておられます」
「ああ……」
ジェイドは慣れない手で我が子を抱いた。
目を開けた子は自分とよく似ており、驚いた反面嬉しい気持ちが溢れて来るがアリアがこのような状態でなければ心から喜べただろうに。
「少しの間、外せ。後で事情を聞く」
「かしこまりました」
ルーシアとクロウドが部屋を出た後、アリアの隣に双子を寝かせた。
「アリア、我が子とは可愛いものだな………」
家族水入らずの時間なのに悲しい空気が漂った。
「アリア。すまない!守ってやれなくて、すまなかった……!!」
最愛の妻の顔に触れ、ジェイドの目から涙が零れた。