Everlastingly Love





その頃。







可愛い王子達はレイリーゼ城の庭にいた。






「ねぇアリオス。戻ろうよ。パパに叱られちゃうよ………」

「お前はそんなにパパが怖いの?」

「うん………。ママだって心配すると思うし……」

「大丈夫だよ。少し探検するだけだって」

「でも、お庭は広いから遠くに行ったら危ないってママに言われたよ?」

「大丈夫だって!男は強くなくちゃダメだってパパが言ってたろ?エリオスの弱虫!」

「僕は弱虫なんかじゃないよっ!」

「弱虫!弱虫!エリオスの弱虫!いいから俺に付いて来いよ!」

「………わかった」








二人がいるのはレイリーゼ城の庭。


庭といってもかなりの広さで専属の庭師が9人もいる。





広い上に迷いやすく長く勤めた庭師でなければ迷う。





何故、このような庭になったかというと軍事国家レイリーゼの敵は多い。

表面上では多くの国と条約を交わしているが裏ではレイリーゼを我がものにしようと企む輩も少なくはない。



その為に城は街と完全に隔離してある。



庭を広くする事でいざという時に避難する居住区を隠している。

場所を完璧に把握しているのはジェイド、アリア、カイル。一部の重臣と管理を任されている庭師のみという限られた者しか知らなかった。



そんな庭に僅か2歳の子供達が入ってしまったのだった。




< 144 / 280 >

この作品をシェア

pagetop