Everlastingly Love
「あ。アリオス!あれ見てよ!」
「ん?」
エリオスが指差す方角に目をやると木の実が成っている。
二人は空腹だった。
この木の実は初めて見たが餓えをしのげるのならば有り難い。
「よし!取ろう!」
「うん!」
「俺が持ち上げるからエリオスが取ってよ」
「分かった」
アリオスはエリオスの膝辺りに手を回し持ち上げる。
………が届かない。
アリオスは木に登り、直接実を取る事にした。
今、着ている服は王子らしくジャケット、シャツ、ハーフパンツに革靴で木登り向きではない。アリオスはジャケットを脱ぎ、それをエリオスに渡して木登りを始めた。
わんぱく王子と言われるだけあってスイスイと登って行き、木の実の近くまで到着した。
手を伸ばして木の実を上手に落下させて下にいるエリオスがアリオスのジャケットを広げてそれをキャッチする。
近くにある木の実を全て落としたのを確認するとアリオスは木から降り始めた。
エリオスは心配そうに見つめる。
あともう少しという所で足を滑らせアリオスは落下してしまった。