Everlastingly Love
ルーシアが去って行った後。
カイルはその場から動けなかった。
愛で溢れたルーシアの笑顔。
それを見た瞬間はまるで胸を撃ち抜かれたような衝撃だった。心臓が暴れ狂ったようにバクバクと動いている。
今もあの笑顔が頭から離れない上に落ち着かない。
何だ?これは?
カイルはどうにか気を引き締めて歩き出した。
「カイル様!」
「………あ?………うおっ?!」
「うおっとは何ですか?つい先程までお話していましたのに…………」
「あ、あぁ……悪い。で、どうした?」
「先程のお話は私とカイル様の秘密ですからね!では失礼致します」
ルーシアは再び去った。
カイルは覚束ない足取りで何とか自室に辿り着くとベッドに倒れ込んだ。
一体これは何だ!俺はどうしてしまったんだよ!
カイル。
女遊びが激しく基本的にいい加減な所がある決して王族には見えぬ男。
31歳にして自分より10歳も下の侍女に恋をしてしまった。
遅すぎる初恋にプレイボーイな彼は気付かないでいた。