Everlastingly Love
episode12 不穏な影




カイルがルーシアへの想いを自覚したのはそれから間もなくしてからだった。




きっかけはジェイドの話を聞いていてピンと来た。
何故ならジェイドもカイル程ではないが遅い初恋だったから。




恋を自覚してからカイルはとにかくルーシアを口説き、時間があればルーシアに付き纏った。


初恋とはいえプレイボーイと言われた三十路男だから、その辺に抜かりはない。




ルーシアはカイルに対して興味もないので全く相手にせず………
それでもめげないカイルはやはりすごい。毎日毎日、飽きもせずにルーシアを口説いた。



レイリーゼ城ではカイルの振られっぷりは名物?になっていた。



侍女や執事までならまだしもコックに騎士、更にお堅い重臣達までもがカイルを応援していたのだ。





それが自分の仕事と守るべき主以外に興味を持たないクロウドの耳にまで入ってしまい焦ったルーシアにカイルにやめるように頼んだ。




頼んだというよりは激怒して脅したと言う方が正解かもしれない…………。






そんな平凡な日常が誰も気付かぬうちに足元から崩れているとは、夢にも思わなかった。





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