Everlastingly Love
リュードが仲間割れをしたのは殺しの標的がまだあどけなさの残る少年だったのを躊躇し拒否したからだった。
それがきっかけとなりアリアと再会したリュードはアリアの事を知りながらも初対面という事にしておきたかった。
あの大切にしていた婚約者がレイリーゼに嫁ぎ、更に自分の主である男に狙われているとは信じたくなかったのだ。
だからアリア王妃を一目見て確認する必要があったが力尽きてしまい、そのアリア王妃に助けられた。
アリア王妃は自分の婚約者だったアリアだったが幼い頃から変わらない優しいアリアの心に触れ、固く閉ざした心は自然と開いていったのだ。
リュードの両親は殺害されリュードだけは生かされ暗殺者として教育されてしまった。
“名前、家柄、将来”
全て奪われ、リュードという名前と暗殺者という肩書きだけを与えられた。
僅か10歳の少年には暗殺者として生きる過酷で孤独な道しかなかったのだ。
彼の両親も両国では貴族で生まれも育ちもよかったのでアリアの婚約者になれた。
リュードは絶望し、死のうと思ったが、両親を殺し自分をこんな目に遭わせた男に逆らう事は勿論。死ぬ事すら許されなかった。
そしてその憎き男の息子がアリアを狙いこの国を内側から壊そうしている黒幕だ。
リュードは自分の命を……何もかも全てを捨て、アリアを守る決意をしたのだ。