Everlastingly Love
「キール兄様!!」
リュードに駆け寄るアリア。
リュードの手を取り傷を押さえた。
アルバルトの最期のあがきでリュードの胸を剣で貫いたのだ。その傷は誰の目から見ても致命傷で、最早助かるまい。
「兄様!!兄様しっかりなさって!」
「ア、アリア………俺はもう………」
「キール兄様……」
「……ジェイ、ド……」
「ああ、ここにいる!」
「アリ、ア……を、守ってやって……くれ、よ?だれより……優しい、アリアを、幸、せにして………やって、くれ………」
「ああ、勿論だ!!アリアは世界一幸せにする!キール、アリアを守ってくれたお前に心から感謝する!!ありがとう!!」
「安心、した………アリア。いつ、もお前を……見守って、る……ずっと……愛して、た……お前の、幸せを、願っている…………」
「ありがとう。兄様、本当にありがとう!!」
「………アリア」
「はい?」
「………………。」
「兄様?」
「アリア、キールは………」
「………っ!!キール兄様ーーーー!!」
動かなくなった体を抱きしめてアリアは泣いた。
その後、レイリーゼにあるアリアが祈りを捧げていた教会裏の美しい丘に墓石が作られた。そこにはリュードの本当の名前であるキール・ニース・リザルドと掘ってあった。
25年という早過ぎる生涯に幕を下ろし、ようやく彼は自身の本当の名前を取り戻したのだ。