Everlastingly Love
動かなくなったリュード………いや、キールの体を抱きしめたアリアは泣きじゃくる。ジェイドはアリアの肩を優しく抱いた。
「アリア。今は悲しいかもしれんが、キールの顔を見てみろ。穏やかだ。お前に看取られて最期は幸せだったろう。俺はそう思う」
「………………。」
「幸せになれ。キールはそう言っていたろう?泣き顔じゃなく笑顔を見せてやれ」
「………はい」
「キールにとってこの国に良い思い出はないだろう………だからキールはレイリーゼに眠らせてやろないか?」
「良いのですか?」
「当たり前だ。キールはアリアと子供を守ってくれた恩人だ」
「ありがとうございます。ジェイド様」
ジェイドは冷静になって現実を見た。
アリアを助けてからの事を全く考えていなかった。
帰る手段はジェイドの愛馬のみ。
しかしアリアは身重。
馬で走ると大きく揺れるのでアリアを乗せる事は出来ない。
それにキールの遺体を運ばなくてはならない。
戦場と化したここは負傷者や死者がいる。
ジェイドとキール血がアリアの服は勿論、顔や手足にもついている。早く清めてやりたいし、こんな血生臭い場所にアリアを長時間置いておくのは嫌だ。