甘く・深く・愛して・溺れて
隆司だから駄目なんじゃない。



『隆司にはちゃんと謝りたいんだ…。今のあたしの気持ち…全部伝えたいと思ってる…』



あたしにはどうしても空人が必要で、空人にもあたしが必要だと信じたい。



そうじゃなきゃ、あたしはきっとずっと後悔する。



後ろを振り向いてばかりのまま、隆司の隣にいるのは、



あたしも嫌だし、隆司にだって結局もっと迷惑をかけてしまう。



『月美が決めたことだもんね…』



『うん…』



あたしと結菜は反対方向の電車に乗るため、駅の改札でお互いに手を振った。



『また明日ね!月美』



『じゃあね!結菜』
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