甘く・深く・愛して・溺れて
『それで…?そう言えば君は俺を引き止められると?』



低くて、静かな空人の声。



『な、…なんで…嘘じゃないっ…私は嘘なんかついてないわっ』



空人にしがみつき、空人の胸に顔を埋める紗耶香さん。



『俺は紗耶香が嘘ついたなんて言ってないよ?』



『…………っ…』



『紗耶香……無理するな…。君らしくない』



空人は、紗耶香さんの肩をポンっと叩いた。
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