甘く・深く・愛して・溺れて
『……兄貴…元気にしてっから、まずは安心しなよ…。それに学校行かなくなったのは、あんたのせいじゃないから…。自分を責めんな…』



隆治君はさらに言葉を続けた。



『兄貴はさ、兄貴なりに変わろうとしてんだよ…。自分への不満、親への不満…色々な気持ちをそのままにしたくなくて、家を出た…そのタイミングが、あんたとのことと重なっただけだ』



『……隆司は…隆司は今どこにいるの?』



隆治君の言っていることにも、まだ不安が消えない。



『俺…兄貴に怒られっから言えねぇよ』



隆司が元気でいるのは嬉しい。



でもそれを知ったのだから、



隆司のことをちゃんと理解してあげたい。
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