甘く・深く・愛して・溺れて
『教えてっ…お願い!隆治君っ』



思わず力がこもって、大きな声を出してしまうあたし。



そんなあたしを隆治君はクスっと笑った。



『そんな叫ばなくても聞こえるって…』



『あ…うん…ごめんなさいっ』



『はぁ~~~っ』



さっきよりずっと大きくて、長い隆治君のため息。



『あんた…面白いね…。兄貴があんたを好きになったの、なんとなく分かったっつうか…』



『最初は兄貴を振り回す最低な女だと思ってたけど…』



『兄貴は一度もあんたを悪く言わなかった…。それに今でもあんたにまだ惚れてるみたいだし…』



『……教えるよ。兄貴の居場所……』
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