甘く・深く・愛して・溺れて
『……好きなんだね?結菜…隆治君のこと』



結菜の視線を感じて、あたしはニッコリと結菜を見た。



『……分かんないっ…けど、あいつと再会してから、あいつのことばっか考えちゃうんだよね…』



結菜はそう言って、困ったような顔をして笑って見せた。



『隆治君と二人で会ってみれば?気持ちもはっきりするんじゃない?』



あたしの提案に結菜は首を振って、



『もう…あんなに好きになるのは怖いよ…。二人で会ったら絶対あたし…あいつを好きだって実感しちゃうもん…』



ずっと大好きで、ずっと続くと思ってた恋。



隆治君の引越しによって、途絶えてしまったこと。



それを隆治君も結菜も、お互いに心のどこかで、気にしながら過ごしてきたんだ。
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