甘く・深く・愛して・溺れて
『………っ』



あまりに自然で、あまりに違和感なくされたキスに、何も言えなかったあたし。



それでも隆司にキスされた頬は熱くなっていくのが分かった。



『今のが最後のキス…。俺達、キスから始まったじゃん?だからキスで終わろう…』



放課後の教室で隆司に告白されたあの日。



あたしと隆司はキスをした。



そこから始まったあたし達。



『月美…大好きだったよ…ありがとな…』



『……隆司っ』



隆司は立ち上がると、隆治君に電話をした。



『隆治、ここに来るから、月美は待ってな。俺は仕事に戻るからさ…』
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