甘く・深く・愛して・溺れて
空人には彼女がいることが分かっても、



あたしの気持ちが変わることなんてありえないから。



『それでもそばにいたい…好きなの…空人が…』



ようやく「空人」と呼ぶのにも慣れた頃、



あたしは自分の想いを初めて空人にぶつけた。



『俺も月美のそばにいたい…』



『空人のそばにいられるのなら、それでいい…』



あたしの言葉を聞いた空人は、優しくあたしを引き寄せ、



あたしの大好きな微笑みを浮かべ、唇が触れるだけのキスをした。



それまで手さえ触れる事のなかったあたしと空人。



そう………これが空人との初めてのキスだった。
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