甘く・深く・愛して・溺れて
今の自分の立場はあたしが自分で決めたこと。



だからこそ、そんなあたしのそばにいてくれている空人。



あたしは、あくまでも「彼女」ではない。



空人にとっては1番ではないんだ。



空人を見つめながら、



あたしは何度自分にそう言い聞かせているのかな。



愛想のいい店員さんに案内されて座った席。



シンプルだけどセンスのいいデザインの店内。



『いい店だろ?気にいった??』



ほぼ満席に近い店内を見渡すと、



周りの席は全てカップルばかり。



きっと今話題のお店だったりするんだ。



空人は多分ここに彼女と来たんだね。



嫌でも、そう実感してしまう自分がとても惨めに思えた。
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