あいつのキスの練習台


 見つめ合っていたのはほんの数秒なのに魂が抜けちゃったみたい。

 いつもより胸が高鳴るのは――これから起こる事への期待なのかな?


「待った?」


 照れくさそうに笑うその顔、今はまともに見れそうにないよ。


「大丈夫」


「そ、か……。じゃぁ、行こ」


「うん」

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