あいつのキスの練習台

 ――考えれば分かる事だったんだ。

 昨日彼女とキスしたんだから、もうあたしとの練習はとっくに終わってたんだよね?



「ちょ、泣くなよ。なんで泣く?」



 こんな場所で泣くあたしを見て、達也は心なしか焦り始めたように思えた。


「っるさい! あたしバカみたいじゃん!!」


「なっ、なんで? 終わりにしたのは、俺とアイツの関係だよ?」


「――は?」

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