マークへ

あなたがこの手紙を読んでいる頃、私はもうこの国にはいません。
  
実はドイツの大学に入学することが決まりました
  
それはマーク、あなたのおかげなのよ。

あなたが一生懸命にピアノを練習し、日々進歩する姿を見て私もすごく刺激を受けたの。

私ももっとピアノが上手になりたい。

そしてピアノだけでなく、人としても、もっともっと成長したいと思ったの。



私の夢はね第一にプロのピアニスト。

それが無理ならスーザンのような音楽教師になること。

でも今のままならそのどちらにもなれないと気がついたの。
  
ねえマーク、私はあなたにピアノを教えるのが本当に楽しかったのよ。
  
毎週水曜日が待ち遠しかったわ。

私には兄弟がいないからあなたが本当の弟のような気がしていたの。

でも私はそんなあなたをきっと何か怒らせてしまったのね。
  
本当にごめんなさい。

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