オサナナジミ


「奈緒…。」

「…たく…ま」

その声は震えていた。

俺は無意識のうちに奈緒を
ぎゅっと抱きしめた。

「ごめんな。もっと早く俺が
探し出せてたらこんなに怖い思い
しなくてよかったのに…ごめん。」

「何で謝るの?」

「っえ?」

「たくまは私を見つけてくれたでしょ。
ありがとう。」
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