揺らぐ幻影
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好きな人が居る時に、『あの人は私を好きになりますか?』と、
正体不明で未確認の神様に必死で祈ることが、正常な乙女の基本だと思われる。
初恋。
はつこい、それはあらゆる事柄をオーバーに捉える有難迷惑な感情を人間に与えてしまうものとされている。
卒業すると、あの頃の一生懸命空回りするイタさをどうして忘れてしまうのだろうか。
いつから告白を省き、夜を明かすようになる?
好きの意味や付き合う理由を後回しにして不倫やら浮気やら経験することが成長なのか、
そんな持論を十代が説けば、とんちんかんラブリー大人の仲間入りが可能だ。
どこの学校にもある片思いの物語ならば起承転結オチがなく、逆にクドイぐらい欝陶しくて普通だ。
「教室が全てだった。」
そんな時代のリアルな感情。
大人になる前、子供の衝動。
純粋は馬鹿と等しいため、毎日何かしら笑っているだけで良かった。
他人の目、女友達、オシャレ、赤点、バイト、クラスの男子……この雰囲気が『思春期そのものでした』と、
青春を語れる時間を過ごせたなら、その初恋は成功であり、純愛だと自称できるらしい。
〓揺らぐ幻影〓
はじめに