揺らぐ幻影
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『あの人は私を永遠に好きですか?』


結論が出ないなら嬉しく思う。



高校を卒業したら『あの頃が良かった』と、浸るのが切ない醍醐味だけれど、

当時を忘れる訳ではないが、昔を懐古し過ぎてはいけないらしい。


よく考えたらその通りで、『あの頃に戻りたい』と後ろ向きになるよりも、

今を精一杯体感して、遠足前日ばりに明日を待つ方がオシャレだ。



好きの意味は特になし。
付き合う理由は謎。
エセ純愛はそうであってほしい。

たかが恋愛で、周りを巻き込み一生懸命になることが可愛らしいと褒められる内が子供で、

無神経非常識迷惑女だと舌打ちされるようになったら大人なのかもしれない。


どこの学校にも転がる片思いの物語にリアルを追求するなら、

変に憧れるより普通が一番特別だと気づこう。



『教室が全てだった。』

授業中なのに隣の席の奴と先生の似顔絵対決をして笑っているだけで良かった。


他人の目、女友達、オシャレ、赤点、バイト、クラスの男子、

この雰囲気が思春期そのもの人生の財産だと分かったら老けた証拠だ。




『誓います』

誰かの手本になるよう今を選ぶ。


綺麗なブーケは、可愛いお子様にプレゼントしよう。

きっと、あのアホ二人が私たちの頃を思い出させてくれるでしょう。



〓揺らぐ幻影〓

     おわりに


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