野生的王子サマと期間限定の恋
今までは長くても3ヶ月しか同じ学校に居られなかったのに?
制服を着て学校へ通えるっていうの??
あ、パパには経済力がないから転校先の学校でもわたしは安物のなんちゃって制服だったの。
学校へ私服だなんて嫌だったけどパパを見る度しょうがないと何回もサラ金を背負ったパパを見てはため息をついていた。
それが夢だった『制服を着て学校へ』??
いきなり言われても信じられないわよ、パパ。
「いっておくけど本気だよ、友梨恵!
パパは嘘つかないからね」
……よく言うわよ。
今まで前日に引っ越しと転校を告げてたのに。
それなのに『嘘をつかない』?
冗談じゃないわ!!
「……友梨恵」
それまでニコニコしてたパパの顔が急に真剣になり、わたしの名前を呼んだ。
「なによ」
「今な、友梨恵が学校へ行ってる間、ママと2人で家を建てる場所の下見に行ってる所なんだ」
「……それで?」
「写真も撮ってるし、周りの環境も調べているんだよ」
「……何が言いたいの? さっさと本題を話してよ!」
ゆっくり喋るパパにイラついたわたしはつい大声をあげてしまった。
大人って勝手すぎるわ。
どーせマイホームだってパパとママが選んだとこに住まなくちゃいけないんでしょう??