天国の武に告ぐ
太陽が照っていた・・汗ばむ少し自転車をこいだだけなのにじっとり汗が出てくる。「暑い・・・・・・・・・」そう思いながら自電車をこいでいた、海沿いのカーブに差し掛かったころ巴が追いかけてきた。「美紀、おはよう」「昨日はよく眠れた?」「うん眠れた」「夢は武さんの夢は見た?」「見てないよでもおかげでぐっすり眠れた」「よかったよかった」「巴がいつも助けてくれた」「やさしく接してくれてた家庭環境が悪くてめそめそしていてそれで笑ったらいいことあるよって教えてくれた」「うん」「ずっと友達でいてね」「うん」

巴の家は喫茶店だった、それで喫茶店の裏の家でクリームソーダを飲むのが好きだった。夏休みともなるといりびたっていた・・・・・・・・・・喫茶店の娘らしく接客がうまくて巴は学校の人気ものだった。


「今日は一段と暑いね・・自転車をこぎながら巴は美紀に言った」「うん暑い本当に」
「夏だもんね」「うん夏だ」「今度プールいこう・・」「泳げないよ私」「うんでもいいじゃん遊ぶだけなら」「そうだね」「うん」


「今日は武さんいるかな?」「いるといいけど」「うん」


そういって学校に入っていったそれで授業を5時限目まで受けてそれから美紀はいつものように美術部の部活へといった。そこの窓からプールがよく見えた・・・
(いるかな今日は)(いたいた・・)いつもここから見る武さんが好きだった。
水しぶきにはじかれるように武さんがクロールをしていた・・・「いつ見てもきれいなフォーム国体優勝するわけだ」


ずっと見とれていたら、美術の先生に咳払いされた。


帰りがけ少し早くあがってプールのほうに近づいてみた・・・「武さん」「昨日はどうもありがとう」「今日はもう終わりなんですか?」「うん終わりだよ」「一緒に帰ってもいいですか?」「うんいいよ」そういって武さんは手提げかばんの中に水泳着を入れていた。「ちょっと待ってて」あきらかに昨日渡したバスタオル使っていてくれたみたいでうれしかった。

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