約束した、あの場所で…。
京君は視線を感じたらしく、私を見るなり、ニッコリと微笑む。

その笑顔は、太陽ようにキラキラと輝いて見える。


「…実は、柚麻ちゃんに伝えなくちゃいけないことがあるんだ」


急に真剣な眼差しで見つめる京君に、私は嫌な予感がした。


ーまさかー


「僕、外国へ行くんだ…」
京君の唇が震えていたように見えた。

「外国…」

胸が、ギュンと締め付けられるような気持ちでいっぱいだった。


「うん、ニューヨーク。」


「…………」
私は、俯いたまま泣いていた。


ー行かないで、ー
喉まで出掛かった、言葉をグッ…と飲み込む。


京君に迷惑かけたくない…。


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