自由な蝶を僕の手に
再会
憲法記念日、みどりの日、子供の日プラスアルファで、土日。いくつもの休みが重なった休息日のオンパレード。所詮、ゴールデンウィーク。
僕は久しぶりに――およそ五年ぶりに地元の地を踏みしめた。
此処に来るのを考えるととてつもなく陰鬱な気分になっていたが、いざ来てみると、普段を都会で過ごす自分にとっては物珍しい自然が綺麗に残ったままだし、天気も快晴。
自分がこの地に迎え入れられてる気がして案外気持ちいいものがある。
これを機に、今後は頻繁に帰ってくるかというと、それは別問題だが。
辺りを軽く見回しながら、駅から家までの道のりを歩く。
連休だからか、車通りはやや多いものの、人通りは少なく、普段は賑わっている商店街も店が休みのところが多く、当然のことながらお客だと思われる人はほとんどいない。
知り合いをみかけないことに安堵のため息をついた瞬間、一人の女性とすれ違う――
「みっちゃん……? ねえ、みっちゃんでしょう!?」
聞き覚えのある……どころではない。覚えすぎている声、そしてその者だけが呼ぶ自分のあだ名。これらによって、相手が誰かは導き出される。
声を掛けられたことで固まっていた身体。
そんな僕の前にパッと後ろから現れた彼女――有栖川 真央。
「やっぱりみっちゃんだ!! 久しぶりね!」
自分が昔から恋い焦がれ、
そのあまりもてあましそうになった狂喜を、
相手に向けないためにと逃げた相手――
――どうして、会ってしまったのだろうか……
僕は久しぶりに――およそ五年ぶりに地元の地を踏みしめた。
此処に来るのを考えるととてつもなく陰鬱な気分になっていたが、いざ来てみると、普段を都会で過ごす自分にとっては物珍しい自然が綺麗に残ったままだし、天気も快晴。
自分がこの地に迎え入れられてる気がして案外気持ちいいものがある。
これを機に、今後は頻繁に帰ってくるかというと、それは別問題だが。
辺りを軽く見回しながら、駅から家までの道のりを歩く。
連休だからか、車通りはやや多いものの、人通りは少なく、普段は賑わっている商店街も店が休みのところが多く、当然のことながらお客だと思われる人はほとんどいない。
知り合いをみかけないことに安堵のため息をついた瞬間、一人の女性とすれ違う――
「みっちゃん……? ねえ、みっちゃんでしょう!?」
聞き覚えのある……どころではない。覚えすぎている声、そしてその者だけが呼ぶ自分のあだ名。これらによって、相手が誰かは導き出される。
声を掛けられたことで固まっていた身体。
そんな僕の前にパッと後ろから現れた彼女――有栖川 真央。
「やっぱりみっちゃんだ!! 久しぶりね!」
自分が昔から恋い焦がれ、
そのあまりもてあましそうになった狂喜を、
相手に向けないためにと逃げた相手――
――どうして、会ってしまったのだろうか……