一なる騎士
「君には無理だよ、リュイス殿。血塗られた道を進むなど君の柄ではない。清廉潔白、誠実そのもので騎士の鏡のような君にはね、そして、たぶん僕の息子にも無理だ。あれは平凡な子だ。そんな道を歩むにはね」

 そう告げた彼は、子を思う父の顔をしていた。
 強い、けれど慈愛すら思わせる深い眼差し。

 酷く懐かしい気分にさせられる。
 彼の父も、よくそんな眼でリュイスを見ていたのだ。

 今になって思い出す。
 だから、リュイスは引きずられるように問うていた。

「では、どうしろというのですか」

「『大地の剣』を破壊すればいい」


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