一なる騎士
(4)女神の加護
黒地に黄金の剣、『一なる騎士』の率いる神聖軍の旗印が、王都にほど近い丘陵地帯にはためいていた。
セイファータを立って、すでに七日。
進軍は順調だった。
途中にある関所や砦には先に話を通していた。無血開城どころか警備の兵まで軍に加わった。さらに、貴族たちの私兵も合流し、進軍しつつも軍勢は膨れ上がった。既に具体的な実数は把握することすらあきらめざるをえないほどに。
しかし、あまりにも大きくなりすぎた軍はとても一度には進軍しきれない。リュイスはとりあえず足の速い騎馬の部隊を先陣として率いてきていた。今は王都攻略に備えて後続をここで待っている。
さすがに王の膝元である都は守りを固めていた。形ばかりの応答が繰り返された、今までの城砦のようには行くわけがない。リュイスの率いてきた千余りの兵ではまるで手が出せなかった。
「リュイス、公爵の率いる後続隊は明日にでも到着するそうですよ」
リュイスの天幕に入ってくるなりクレイドルが伝えてくる。精霊使いたちは、膨れ上がり縦に長く伸びてしまった軍の各所に配置されていた。彼らのおかげで進軍状況がすばやくリュイスのもとにも届いていた。
セイファータを立って、すでに七日。
進軍は順調だった。
途中にある関所や砦には先に話を通していた。無血開城どころか警備の兵まで軍に加わった。さらに、貴族たちの私兵も合流し、進軍しつつも軍勢は膨れ上がった。既に具体的な実数は把握することすらあきらめざるをえないほどに。
しかし、あまりにも大きくなりすぎた軍はとても一度には進軍しきれない。リュイスはとりあえず足の速い騎馬の部隊を先陣として率いてきていた。今は王都攻略に備えて後続をここで待っている。
さすがに王の膝元である都は守りを固めていた。形ばかりの応答が繰り返された、今までの城砦のようには行くわけがない。リュイスの率いてきた千余りの兵ではまるで手が出せなかった。
「リュイス、公爵の率いる後続隊は明日にでも到着するそうですよ」
リュイスの天幕に入ってくるなりクレイドルが伝えてくる。精霊使いたちは、膨れ上がり縦に長く伸びてしまった軍の各所に配置されていた。彼らのおかげで進軍状況がすばやくリュイスのもとにも届いていた。