年下の君に恋をして
「失礼しました。では、なるべく手短(てみじか)に済ませましょう」

「はあ」

「貴女と翔の事は、以前から知っていました」

「………!」

「私が翔の学校から呼び出しを受ける少し前、翔が貴女に送ってもらったところを、偶然通り掛かりました」

あ、翔から誕生日を聞いた夜だ…。そう言えばあの時、翔は『あっ』と言って、通り過ぎた車を見つめていたっけ。あれはお父様の車だったんだ…

「学校の呼び出しは、翔の言動が急に乱暴になった事を、先生方が心配しての事でした。私はすぐに、貴女の影響だろうと思いました」

「それは…」

否定したいけど、翔が不良と付き合っていたとは言えない。

「ま、それはいいんです」

「え?」
< 113 / 178 >

この作品をシェア

pagetop