年下の君に恋をして
「お母さん、ごめんなさい。私……妊娠しちゃったの」

言っちゃった……
私は二人の顔が見られなくて俯いた。それでも二人が驚き、息を飲むのがわかった。

「お姉、嘘でしょ!?」

美穂が甲高い声で言い、私は俯いたまま首を横に振った。

「だってお姉、彼氏いたの? そんな話、聞いた事ないよ?」

「ごめん。誰にも話してないの。恵美以外には」


「相手は、不倫なの?」

母が心配そうな声で言った。
不倫かあ……。確かに、それはありがちな話なのかも……

「ううん、違うよ、お母さん」

私がそう言うと、二人はほっとしたようだった。


「じゃあ、お姉はその人と結婚するの?」

「しないよ」

「どうして?」

母と美穂がハモった。

「………………」

私は翔の事を言えず、沈黙を続けた。
すると母は、相手を聞き出すのは諦めたかのように、

「相手はその事、知ってるの?」と言った。

「ううん」

「言えないの?」

「うん」

「じゃあ、有紀子はどうしたいの?」
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